12月18日 21:23 タイ国鉄・寝台列車の旅

タイ取材シーズン16の旅先は「チェンマイ」。
今週は、バンコクから寝台列車に乗ってチェンマイへ!
「タイ国鉄・寝台列車で行くチェンマイ」の巻。

陸路の玄関口「フォアランポーン駅」へは、
地下鉄MRTの「フォアランポーン駅」で下車。
地下鉄駅から国鉄駅までは、地下通路で結ばれ、
その通路沿いには、タイ国鉄の歴史や駅舎建設当時の
写真など、パネル展示もあります。

現在、タイ国鉄の路線は列車の近代化に併せ、随時、
補修工事も行っていますが、その工事で使用されている
保守用車輛は、以前に秋田新幹線と山形新幹線の
延伸工事の際に使用されていたもので、新幹線の
工事終了後に、JR東日本からタイ国鉄に売却された
「ビッグワンダー」と呼ばれるもの。日本とタイとの
深い結びつきを、こういった所でも改めて実感する次第。

番組初期にお届けした、バンコクの地下鉄MRTの取材の
際にも、工事には日本政府や日本企業が、資金・技術面で
協力!というお話をご紹介しました。

フォアランポーン駅へのアクセスは、地下鉄MRTの他、
タクシーやトゥクトゥクで・・・となりますが、
市内からタクシーやトゥクトゥクで駅へと向かう場合、
特に夕方や週末など、渋滞が予想される時間帯は、
くれぐれも余裕を持って出発して下さい。

飛行機だと1時間程で行く事の出来るチェンマイへ、
今回はあえてタイ国鉄の寝台列車、その2等車で
向かう事にした取材班。まずはその出発地、
「フォアランポーン駅」構内の様子から。

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バンコクにはこの「フォアランポーン駅」をはじめ、
映画「戦場に架ける橋」でも有名な、「ナムトク線」の
始発駅「バンコク・ノーイ駅」通称 “トンブリ駅”に、
バンコクのダウンタウンを走る「マハーチャイ線」の
始発駅「ウォンウィエンヤイ駅」と、方面別に3つの
ターミナル駅があります。

ちなみに「ウォンウィエンヤイ駅」の様子は、
今年7月9日の番組ブログ、「鉄子と化してみました編」
でもご紹介していますので、お時間のある時にでも
覗いてみて下さい。

“タイ近代化の父”、そして、“タイ鉄道の父” とも
称される、ラーマ5世/チュラロンコーン大王の命により、
タイ国内での鉄道敷設が1891年よりスタート。

1894年には、タイ国鉄最初の開業区間、
バンコクーアユタヤ間が開通しますが、この路線の
開通と同時に、「フォアランポーン駅」も開業。

フォアランポーンとは、タイ語で “中央” という意味。
このフォアランポーン駅は、別名「バンコク中央駅」とも
呼ばれています。その名が示す通り、チェンマイを
はじめとする北路線、そしてラオスとの国境付近にまで行く
東北路線に、カンボジア国境付近まで行く東路線、さらに!
タイ側の“東南アジアへの陸路玄関口”として、タイと
マレーシア、シンガポールの3カ国を結ぶ国際列車、
総延長1,946キロの「マレー鉄道」へと通じる、
南路線の発着駅ともなっています。

ちなみにこのフォアランポーン駅から、タイ・
マレーシアの国境にある「パダンブサール駅」までが、
マレー鉄道におけるタイ国鉄の管轄となります。

「フォアランポーン駅」の現在の駅舎が建てられたのは、
1916年、ラーマ6世の時代。写真は開業まもない頃の
「フォアランポーン駅」です。

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イタリア人技師による設計ということで、大きく弧を描く
アーチ型の屋根、飛行機の格納庫を思わせる高い天井と
広い待合室は、ヨーロッパの駅舎を彷彿とさせます。

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1916年という年は、タイの近代化を語る上で
とても重要な年。フォアランポーン駅開業のみならず、
名門チュラロンコン大学も、この年に開校。

駅構内、正面にはラーマ5世の肖像画が掲げられています。

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タイでは朝の8時と夕方の6時に、テレビやラジオ、
そして公共の施設などでは国歌が流れますが、
フォアランポーン駅でも朝8時と夕方6時に国歌が流れ、
その際には、このラーマ5世の肖像画に向かって立ち止まって
起立。旅行者の皆さんも、郷に入れば郷に従え!
ちょうどこの時間帯に駅構内にいらした時には、敬意を
表してみてはいかがでしょうか?

大王の肖像画の下が改札口となっていまして、改札口は
この1カ所のみとなります。改札口の左右が切符売り場です。

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切符売り場の窓口は1番から25番まであり、特別急行、
急行、快速、普通と、乗る列車によって、窓口が分かれて
います。窓口上部には、列車案内の電光掲示板あり。

窓口1番は払い戻し専用、そして2番は外国人用窓口で、
英語での切符購入が可能。

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また現在、タイ国鉄のHPではオンラインで切符を
購入する事も出来るんですが、寝台列車は特に人気
ですので、事前にオンラインにて購入しておいた方が
安心だと思います。

切符売り場には、こんな看板も。この表示の背丈より高い場合は、
大人料金となります。

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さぁ、私達が駅に到着したのは夜7時前。
これから寝台車に乗って、地方へと向かうタイの人達、
そして各国からの観光客で、駅構内の左右に設けられている
ベンチはほぼ満席。広い構内の大理石の床の上には、大きな
バックパックを抱えた欧米からの旅行者が腰を下ろして、
目的の列車を待つ姿も。そんな光景が見られるのも、
海外の駅ならでは。

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アメリカはノースカロライナから来ていた若い女性の
二人組は、ラオスへと行くところ。ドイツからきた
カップルは、私達と同じ寝台列車で、チャンマイへ
行くところ。皆さんやはり、列車の旅は景色や人々との
触れ合い、そして何よりも運賃の安さが魅力だと話して
くれました。

このフォアランポーン駅構内、改札口に向かって
右側奥には、有料のトイレとシャワールームもあります。

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トイレのみの使用は2バーツ(6円)、
シャワーは20バーツ(60円)

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右が男性用、左が女性用のトイレ&シャワールーム

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内部はこんな感じ

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シャワーは水シャワーですが、列車での長旅を続ける
旅行者、また、列車の乗り継ぎや旅費を浮かす為に、
駅構内で一晩明かす・・・なんて人達も少なく
ありませんので、そういった方達には嬉しい施設と
言えるのではないでしょうか?また、構内には日本語が
使えるインターネット・カフェ、コンビニ、鉄道警察、
もちろんインフォメーション・センターも。

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心惹かれる「おみくじ」の機械も。

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ここフォアランポーン駅には、1969年まで、
併設のホテルもあったんです。現在は駅事務所として
使用されている「旧ラチャタニーホテル」。
中央の大理石の階段が、当時を物語ります。

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客室として使用されていたであろう部屋の窓には、
コロニアル・スタイルの装飾が施され、何とも言えない
ノスタルジックな雰囲気を醸しています。実はこのホテル、
駅のホームにまで客室が続いていて、客室からは列車が
行き交う様子も、見る事が出来ました。

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チェンマイまでの寝台列車の旅、そろそろその出発時間が
迫って参りました。ラーマ5世/チュラロンコン大王の
大きな肖像画の下をくぐると、すぐにプラットホームへと出ます。
改札口といえど、切符にパンチが入るでもなく、確認をする人も
なく・・・見送りの人も自由にプラットホームへ入る事が
出来ます。タイのプラットホームはとても低く、日本の駅の様に
階段はありません。

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チェンマイ行き、7時35分発の寝台列車は、
5番線ホームより出発!

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取材班の乗る列車の車掌さん

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各列車の情報は、待合室にあるモニター画面で
確認をする事が出来ますが、駅構内に流れるアナウンスは
タイ語オンリー。列車の発着時間は、ご自分で確認を。
多々、到着が遅れる事が多いタイの国鉄ですが、始発の
出発時間に関しては、比較的正確ですのでご注意を!

私達が今回利用したのは2等寝台の冷房付き。
窓を横に見ながらの向かい合わせのシートで、
通路を挟んで二人ずつ座れる様になっています。

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現在タイ国鉄では、JR西日本から無償譲渡された
「キハ58系」や「12系」、さらには寝台列車も
現役で走っていて、運が良ければ私達も日本製の
寝台列車にタイで乗る事が出来る!と期待しましたが、
今回は韓国製の寝台列車でした。

ちなみに一等寝台はコンパートメントタイプで
一部屋2名使用可能。(写真はタイ国鉄提供)

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乗車前には屋台で焼き鳥「サテ」とか、ビールなんかを
たっぷりと買い込んで・・・なんて目論んでいた私達、
駅構内での取材に夢中で、何も買わずに乗車。

でも!まったく問題なし!!発車と同時に冷たいビールや
お水の車内販売もありますし、食堂車もあります。

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食堂車へ行かずとも、1等、2等の乗客は自分の座席で
夕食を注文し、食べる事が出来るんです。タイ料理の
おかずかけご飯と、スープ、デザートが付いて、お値段は
150バーツ(450円)4種類のセットメニューの中から
選ぶ事が出来ます。

ちなみに朝食は、夕食をオーダーする際に一緒に
尋ねられますので、ご希望の方はこの時に。

バンコク夜7時35分発の列車は、2時間後の9時40分に、
アユタヤ駅へと到着しました。

例えば!午前中にバンコク・チャオプラヤー川から
アユタヤ行きの船に乗り、お昼〜夜までアユタヤを散策。
午後9時過ぎにアユタヤ着のこの寝台で、チェンマイへ!
という旅も可能。

アユタヤを過ぎた頃から、スタッフがベッドメイキング開始。
あまりの手際の良さに、一同目が点!

ではここからは、椅子席からベッドが出来上がるまでを
写真でどーぞ!揺れる車内での撮影に付き、ブレてますが
マイペンライでひとつ・・・。ごめんなさい。

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出来上がり!

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この椅子席からベッドが出来上がるまでは、後日改めて、
動画でもアップしますのでお楽しみに。

ノリがきいた真っ白いシーツに枕カバーとタオルケット。
通路側には青い厚手の遮光カーテンが付けられ、そろそろ
乗客達も寝る時間。

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ウッチー身長176センチ、私D170センチ、
下のベッドでは何ら問題なく寝る事が出来ます。
190センチくらいまでは、対応可能かと・・・。

肝心のお手洗いですが、洋式とタイスタイルの2つあり。
タイスタイルの方は・・・線路が見えます(笑)
ということは・・・乗ってみてのお楽しみ。

車内は禁煙ですが、車輛と車輛の連結部分では喫煙も許可(?)
黙認されていました。でも、夜10時以降はこの連結部分へと
出る扉も施錠されますので、以降は禁煙。

わたくし、ちょっと眠れなくて車掌さんの部屋へお邪魔。
車掌、黄昏れてます。

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特別に貨物室を見せて頂きました。

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貨物室、ドア空いたまま走ってますっ!
落ちたら怖いので、早々に引き上げます。

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車内廊下の電気は24時間点いたままですが、
各ベッドには読書灯などがありませんので、
カーテンを閉めてしまえばほぼ真っ暗。
11時を過ぎた頃には、ほとんどの乗客達も夢の中です。

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朝です。ウッチー黄昏れてます。

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午前6時頃から徐々に乗客達が目を覚まし、8時には
車輛スタッフがベッドから椅子席へとチェンジに来ます。
夜間はさほど寒いとも思いませんでしたが、朝はかなり
冷房も効いていますし、外の気温も低いので、羽織物や靴下、
ヒザ掛けなどは、持参した方が良いでしょうね。

朝の空気を吸いに連結部分へ。

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あれ?列車ストップ。ここで1時間程、立ち往生。

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午前8時が一応の起床時間。
ベッドから椅子席へとチェンジ!

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ウッチーと相席になった、スウェーデンからの
旅行者も黄昏れてます。

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そして待ちに待った朝食!前日の夜、夕食の際にオーダー
した物を自分の席にて頂く事が出来ます。
メニューは朝ごはんの定番「おかゆ(コンジー)に、
サンドイッチやトースト&ハムエッグ、フルーツ。
全メニューにオレンジジュースが付いて、さらにコーヒーか
紅茶かのいずれかが選べ、お値段は100バーツ(300円)。

チェンマイ到着時間は予定では9時30分。しかし!
この時点で既に9時30分。山の中で再度列車が立ち往生。
これといったアナウンスもなく、多少の遅延は想定内でしたが、
山の中なので携帯も通じず、私Dも次の取材時間が迫り、
少々焦り気味。山間部を抜け、携帯のアンテナがちょびっと
1本立った瞬間に電話。この後の予定を調整。

チェンマイ到着は、2時間遅れの午前11時30分。

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でも!タイへは行っても、決して立ち寄る事がないであろう
山中の景色を眺めたり、写真を撮ってみたり、各国の旅行者と
会話をしたり・・・時間に追われる旅では、決して味わえない
面白さと経験が出来るのも、列車の旅ならでは。
少し時間に余裕のある滞在の時には、フォアランポーン駅から
地方へ。行きや帰りの片道だけでも、タイ国鉄の旅をのんびりと
楽しんでみてはいかがですか?

赤ちゃんパンダ「リンピン」誕生!という事で、
チェンマイ駅構内にも、パンダのオブジェ多数。

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現在、タイ国鉄では年明け1月31日まで、「e-STARS」という
オンライン予約システムを試験的に運用中です。VISAか
MASTERカードでのクレジット決済となりますが、寝台列車
(特に2等車)は、発売と同時に売り切れる事も多いので、
寝台列車ご利用の際には、事前に予約をされる事をオススメ。

★タイ国鉄のHPはこちらをクリック!★

★オンライン予約はこちらをクリック!★

また、タイ国政府観光庁のサイト内にも、タイ国鉄に関する
詳細あり!こちらも併せて是非!!

★タイ国政府観光庁・タイ国鉄のページはこちら!★

来週の「ムーン・タイワニー」は、チェンマイで日曜日にだけ
開催される、その名も「サンデーマーケット散策編」を
お届けします。どうぞお楽しみに!