2015.03.29

小さなコミュニティーの大きな取り組み 〜バーン・ナンルアン〜

今週は、バンコクのある小さなコミュニティーをご紹介。


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場所は、バンコクのランルアン通りとクルンカセム通り、そして
ナコンサワン通りに囲まれた細い細い小路の奥。先週ご案内した
「ナーンルーン市場」の裏手となります。市場奥はかなり細い小路が
迷路の様に...。

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まだ広い部類の小路です。さらに進むと...

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でも!このコミュニティーは、バンコクの数あるコミュニティーの
中でもかなり歴史ある所で、今から200年前にまで、遡る事が出来ます。
タイ国内はもとより、カンボジア、ラオス、ベトナム、中国と様々な
国籍の人々が集まり、それぞれの文化が融合。特に現王朝・チャクリー
王朝ラマ4世から5世の統治時代には、コミュニティーの人口も増え、
商売が盛んになると同時に、歌や舞踊、芝居に映画といった芸能も
このエリアを中心に発展していきます。

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市場を抜け、細い小路を進んで行くと...

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かつては沢山の人で賑わっていたであろう、味のあるこんな劇場跡も。
残念ながら、現在は老朽化が進み、劇場内は市場の物置と化して
いました。現在はこの劇場前のちょっとした広場で、野外映画鑑賞会
なども、開催されている様です。

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この劇場を通りすぎて、さらに細い小路を抜け、ワット・ケーナールン
というお寺を抜け、ナーンルーンのソイ2を目指しましょう。

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この通り沿いには、揚げバナナ&揚げイモのお店も。

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お寺を出て通りを右手に見ながらクルンカセム通りの方へ。
この揚げバナナ屋さんを通り過ぎると、壁がペイントされた、
ちょっと入るのをためらってしまう細い細い小路が。この小路の
奥、木造2階建の大きなお家「バーン・ナンルアン(バーン・テンラム
(踊りの家)」です。

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およそ60年前、コミュニティーの中でも比較的裕福なご家族が
住んでいたというこのお家が、いわばコミュニティーセンターの
役割を果たしていたんだそう。1階の広間では毎夜、沢山の地元住民が
集まり、当時タイでも流行していたルンバやマンボにジャイブ、
そしてエルビス・プレスリーなどを聴きながら踊ったり歌ったり...。
いつしかここは、ちょっとした社交場、ダンスホールとなり、
遂にはダンス学校に。

タイも昔は欧米から入ってくる音楽などに関して、厳しく規制された
時期がありましたが、伝統舞踊の踊り手、舞踊学校や衣装・仮面等を
作る工房が軒を連ねていたという事で、ある意味、暗黙の了解?
カモフラージュになっていたのでしょう。

ちなみにこちら、コミュニティー内にある、タイ伝統舞踊で使用された
貴重な仮面や衣装、伝統音楽の楽譜や音源等がが保管されている
「Narasilpa House」内部見学等は、事前予約が必要かもしれません。
私も今回は外観のみ。

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伝統舞踊衣装の工房

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各工房には、入口に一目観て分かる可愛らしいサインが。

現在このバーン・テンラムは、コミュニティーの皆さんの手で
少しづつ改装中。タイの古い民家でよく見かける色ガラスと共に
窓にハメ込まれているのは...なんとカセットテープ!

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「60年代、70年代頃かしら...まだ私が子供だった頃、夜も更けて
大人だけになると、今度は賭博が始まるの。賭博と言っても、
賭けるのはお菓子。それでも警察が来たらマズイ!って事で、小路の
入口には順番に見張りを立てたりして...。でもね、この家の奥には
もうひとつ入口があって、万が一、踏み込まれた時には、その入口
から逃げる算段になっていたの。このコミュニティーの奥に入って
しまえば、警官といえど迷うわよね〜。」

と、そんな昔話を聴かせてくれたのは、案内してくださったダンさん。

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コミュニティーではこのお家を中心に、かつてのにぎわいを取り戻し
住民同士がさらに交流を深め、子供たちの学童保育やワークショップ、

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そして「チャートリー」と呼ばれる庶民文化、伝統舞踊劇の復興に
取り組んでいます。また、建物2階を資料館にする計画も。

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昔の日本も、近所の人達が互いの様子を気にかけ、子供たちの成長を
皆で見守っていたものですが...。

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まるで、このコミュニティーが一つの大きな家族のよう。

このバーン・テンラムの隣には、ちょっとしたカフェとステージも。
このステージでは不定期ではありますが、「チャートリー」や
伝統舞踊なども披露されています。今回は特別に、コミュニティーで
「チャートリー」を教えていらっしゃる先生が、チャートリーで
披露される歌を聴かせてくださいました。

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「このチャートリーは、タイ人でも "知らない" という世代が増え、
逆に海外のメディアや外国人観光客の方が、興味を持ってくれるの。
数年前には、日本人女性もここに寝泊まりして、チャートリーの
踊りを習っていったのよ。私達は、ここを訪れてくれる全ての人達を
いつだって歓迎する。それも、チャートリーを絶やさない方法の
一つだから...。」

これからも番組では、ここバーン・ナンルアンの活動に注目して
いきたいと思います。

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今回は、タイ初めて!という方には、少々
レベル高し!な、スポットだったかもしれませんが、興味のある方は、
先週の市場と合わせてぜひ。



★3/29の放送を聴く★

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