2016.04.03

世界遺産『スコータイ歴史公園』

今週は、スコータイ取材第3弾!世界遺産「スコータイ歴史公園』へ。

Wat_Sri-Chum_STI2_2.jpg

バンコクから北へおよそ440キロ、タイ北部の南端に位置する古都
スコータイ、その県名は "
スック・幸福" "ウタイ・朝日" から、
「幸福の夜明け」という意味になります。

1238年、ここにタイの歴史上最古となる、タイ族による最初の王朝が
開かれました。特にこの
スコータイ王朝が栄華を極めたのが、王朝
第3代目の王様・ラムカムヘン大王の時代。

hibun-4.jpg

(スコータイ歴史公園にて)

取材時にも、多くの方が大王像に祈りを捧げていましたが、今尚、
タイ国民の尊敬を集める大王は、こちらにも...。

20thb.jpg


ラムカムヘン大王は、現在のタイ文字の基礎となる文字も考案され、

hibun-3.jpg


このタイ文字によって記されたのが、ラムカムヘン大王碑文。

hibun-1.jpg


hibun-2.jpg

(上記写真2点は、歴史公園内「ラムカムヘン大王博物館」蔵)

碑文は1833年に、即位前のラーマ4世(モンクット王)により、
歴史公園内の寺院跡「ワット・マハータート」の東側にあったと
推定される、スコータイ王朝の王宮跡で発見されました。

タイ最古のこの碑文は、現在、バンコクのタイ国立博物館にてご覧
頂けますが、その碑文に刻まれているのがこの一文。

『スコータイは美しい国ぞ、水に魚棲み、田に稲穂実る』

hibun-5.jpg

(歴史公園内、大王像そばの碑文レプリカ)

hibun-6.jpg

hibun-7.jpg

(ミニライト&サウンドショーの一コマ)

☆ミニライト&サウンドショー取材時のブログ☆

ラムカムヘン大王の時代には、王国の勢力も絶大なものに。
近隣諸国はもちろん、中国とも積極的に関係を結び、仏教の普及にも
尽力し、多くの寺院を建造。そこからタイの文化芸術の古典様式が
花開き、現在のタイの礎を
築きあげました。そんな当時の栄華を
偲ばせる荘厳で美しい遺跡群は、東南アジアで最も価値ある史跡の
ひとつとして、
1991年に「古代都市スコータイと周辺の古代都市群」
が、世界遺産に認定されました。

世界遺産も、遺跡や建築物が対象の「文化遺産」、価値ある地形・
生物・景観を持つ地域が対象の
「自然遺産」、文化と自然の両方を
持つ「複合遺産」と3つに分けられていますが、スコータイは
文化遺産として認定されています。また、世界遺産には6ヶ条の
登録基準が設けられており、
タイ国内には現在、5ヶ所が世界遺産
認定されていますが、そのうちの3ヶ所、スコータイ、
アユタヤ、
バーンチエンが、ユネスコの世界遺産6ヶ条の中の第1条、
「人類の創造的才能を
表現する」と、第3条「現存する文化的伝統・
文明の希少な証拠」に当てはまります。

それでは!「スコータイ歴史公園」にご案内しましょう。
...と、その前に、公園内の「ラムカムヘン国立博物館」へ。

43-1.jpg

43-2.jpg

43-3.jpg

数百年もの間、鬱蒼と生い茂るジャングルの中で、静かに時を
刻んできた遺跡...歴史公園として整備される以前の写真も展示されて
います。スコータイの世界遺産は、「古代都市スコータイと周辺の
古代都市群」
とある様に、公園内とその周辺だけでも、その数実に
大小200以上!1935年、タイ芸術局により、南北1,300メートル、
東西1,800メートルの三重の城壁と濠に囲まれたエリアが、歴史公園
に指定されました。
公園内では、城壁内を中心部として東西南北
5つのエリアに分けられています。

map.jpg


博物館には、残念ながら日本語のパンフレットやオーディオガイド
などはありませんが、スコータイやその周辺で出土した美術品の
数々、歴史公園内の寺院や仏塔について、また仏像の時代ごとの
変遷をご覧頂けます。

スコータイ時代を象徴する仏像の姿が「遊行仏」

walking budda.jpg

walking budda-2.jpg


悟りを開いたお釈迦様が、初めて説法へと赴くその第一歩が
表現されていますが、館内や
遺跡で夕暮れ時に遊行仏を観ていると、
今にも仏様が近づいて来られる様な..まとっておられる袈裟が風を
はらみ、揺れるかの様な...そんな不思議な感覚を覚えました。

遺跡や寺院見学の際には、仏像のお顔や仏塔の形にも注目して
ご覧くださいね。それらが建立された時代のアジアやタイ国内での
勢力図、
仏教の伝来が、仏像のお顔や姿、寺院建築からも大変興味
深くご覧頂けます。スコータイ王朝は、クメール帝国の支配を脱した
タイ族による最初の王朝ということで、仏教もスリランカより高僧を
招き、上座部仏教を信奉したことから、スコータイの仏教美術の中には、
スリランカの影響も
感じられますが、それらが見事に融合し、のちに
「スコータイ美術」と呼ばれるタイ族独特の美を育んでいきます。

face-1.jpg

face-2.jpg

スコータイ王朝初期は、タイ北部ランナー王朝の影響を受けた丸みを
帯びたお顔、短い袈裟、 足も左足を上に組み、右手を膝に置いた
姿のもの。スコータイ王朝華やかなりし頃の仏像は、お顔が卵型で
弓状の眉、微笑みをたたえたお口元で、体の線もある種、
女性的な
曲線美を描いていますが、スコータイ王朝後期の仏像は、勢力を
拡大しつつあったアユタヤ王朝の影響で、
仏像のお顔も四角く大きめ、
美しさというより強さを感じます。

そんな仏像のお顔の違いを
博物館の学芸員の方に伺ったところ、
アユタヤ王朝初代王は、王は仏と同等の存在である!という意識が強く、
自分の姿形に似た仏像を数多く造らせたんだそうです。またアユタヤ
時代はクメールやビルマとの勢力争いも続いた事から、仏像にも
「美しさ」より「強さ」を求めたとの事でした。

お待たせしました。 スコータイ歴史公園に参りましょう!

park-9.jpg


今回は、公園内を走るトラムに乗っての見学となります。トラムは
30分〜45分ほどで園内の主要な遺跡を回ります。料金は入園料が
100バーツ、トラムは40バーツ。

budda-2.jpg


park-1.jpg

park-2.jpg

park-4.jpg

park-3.jpg

park-5.jpg

IG-A-HistoricalSite-Sukhothai_004_Wat-Mahathat-300x400.jpg

budda-3.jpg

遺跡内で開催されるミニライト&サウンドショー見学前に園内を
散策。個人的にも遺跡見学は夕暮れ時の方が好きです。当時の人々の
息吹が感じられるかの様。特にスコータイ遺跡は周辺のインフラ整備
が最小限に留められており、アユタヤ遺跡とは全く異なる表情です。

sunset-1.jpg

歴史公園内のメインとなるのが「ワット・マハタート」へ。

IG-A-HistoricalSite-Sukhothai_006_Wat-Mahathat-500x300.jpg

budda-1.jpg

sunset-2.jpg

sunset-3.jpg


続いて、「ワット・サー・スィー」

見学が夜間となりましたので、この寺院跡を囲む池「トラパン
クワン」を撮影出来ませんでしたが、木製の橋を渡ったところ、
仏像の背後には、スリランカ様式の釣り鐘型の仏塔があります。

park-7.jpgpark-8.jpg


そして!様々なメディアでもご覧になった事がある!という方、
多いのではないでしょうか?公園北側にあります『ワット・スィー・
チュム』
へ。こちらは上記遺跡群見学の前日に。

wat-si6.jpg

wat-si1.jpg

wat-si2.jpg

スコータイを象徴する、高さ15メートル、幅11.30メートルの大仏、
「アチャナ仏」が祀られている「ワット・スィー・チュム」
「アチャナ」とは、「動かぬもの、変わらぬもの」という意味の
パーリー語で、
700年以上もの間、スコータイを見守って来ました。
大仏を安置する礼拝堂や横の本堂などは、
ラムカムヘン大王の時代に
建立されたそうですが、「ワット・スィー・チュム」という寺院名の
"スィー"は、 「サリー」という菩提樹を意味するスコータイの古い
言葉からなんだとか。

左手の壁には、大仏の裏へと続くトンネルがあり、そのトンネルには、
お釈迦様にまつわる壁画が50点。かつて、王はそのトンネル内から
大仏の
裏手に回られ、スコータイの人々へ "仏の声" を放ったと言わ
れています。現在、
このトンネル内は立ち入り禁止ですが、その
入り口部分はご覧頂けます。

wat-si3.jpg

wat-si4.jpg

wat-si5.jpg

wat-si7.jpg


『スコータイ歴史公園』
いかがでしたか? 今回は、公園内の一部
のみご紹介しましたが、私も再度じっくりと見学したいところ。
スコータイの世界遺産は、こちらだけではありません!世界遺産
として登録されているのは「古代都市スコータイと周辺の古代都市群」

再来週 4月17日の番組では、「スィー・サッチャナライ歴史公園」
をご紹介します。どうぞお楽しみに!

タイを代表するお祭りの一つ「ロイクラトン」も、スコータイ発祥。
ロイクラトンの時期に
スコータイというのもオススメです。
スコータイのロイクラトンに関しては、詳細決まり次第、番組でも
ご案内します。

park-6.jpg

★4/3の放送を聴く★

まだ見ぬタイ, 観る・知る