2016.04.17

世界遺産『シーサッチャナライ歴史公園』

今週は、スコータイ取材第4弾、「シーサッチャナライ歴史公園」へ。


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まずは、このスコータイについて...。

バンコクから北へおよそ440キロメートル、タイ北部の南端に位置
する古都スコータイ、その県名は
「スック・幸福」「ウタイ・朝日」
から、「幸福の夜明け」という意味になります。

1238年、ここにタイの歴史上最古となる、タイ族による最初の王朝が
開かれました。特に、王朝第3代目の王様・ラムカムヘン大王の時代は、
スコータイ王国の勢力も絶大なものとなり、近隣諸国はもちろん、
中国などとも積極的に関係を結び、また仏教の普及にも尽力し、
多くの寺院を建造。タイの文化芸術の古典様式は、このスコータイ
時代に花開いたとご紹介しても良いでしょう。そんな当時の栄華を
偲ばせる荘厳で美しい遺跡群は、東南アジアで最も価値ある史跡の
ひとつとして、1991年に「古代都市スコータイと周辺の古代都市群」
は、ユネスコの世界遺産に登録されました。


先々週のムーンタイワニーでは、「スコータイ歴史公園」にご案内
しましたが、本日ご紹介の
「シーサッチャナライ歴史公園」は、
スコータイの新市街から北へ50キロ、車でおよそ
1時間ほど。
スコータイ時代には、スコータイに続く第二の街として栄えていた
ところでもあります。タイの高校の歴史の教科書を参考にお話を
進めますと、このシーサッチャナライは、
スコータイ王朝時代初期、
王朝の従属都市といった位置付けにあり、王朝2代目のバーンムアン王、
3代目のラムカムヘン大王、6代目のリタイ王が、「王」となる前に、
この地を統治したと言われて
います。

スコータイ時代に重要な交易品の一つともなった焼物
「サンカローク焼き」、これは
安土桃山時代から江戸時代にかけ、
日本でも「すんころく」という名で、茶の湯の世界で
持て囃された
陶器ですが、中国から招かれた陶工達が、このシーサッチャナライ
を中心とする一帯に釜を作り、陶器作りを伝えた事から、
「サワンカローク焼き」の里としても有名です。

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ちなみにここ「シーサッチャナライ」という地名も、時代と共に
変わり、アユタヤ時代にはチャリエン、 ハートシアオ、
サワン
カローク 、サンカロークと変遷。 現在このサワンカローク
という
地名に関しては、シーサッチャナライ郡の隣、
サワンカローク郡に
引き継がれていますが、シーサッチャナライ
という地名に関しては、
サッチャナーライという高名な仙人が、
火を祀る場所として、
この地を指名した事から、その名が付いたとも
言われています。

サワンカローク焼きの話をしだすと軽く1時間行ってしまいますので、
今日のところは此の辺で...。話をシーサッチャナライ歴史公園に戻し
ますが、広大な敷地内には、200以上もの遺跡が点在。

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ここは本当にロケーションが素晴らしく、鬱蒼と生い茂る森の中、
聞こえてくるのは鳥のさえずりと、風に揺れる木々のざわめきだけ。
木立の間から見える遺跡は、実に神秘的で、朽ちてなお美しい遺跡の
数々を堪能する事が出来ます。

歴史公園の "森っぷり" は、この様な感じです。

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©タイ国政府観光庁

今回は、公園内を巡るトラム(有料20バーツ)に乗って、遺跡の
ハイライト3ヶ所のみ(泣)

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トラムでの移動中も、両サイドにはこの様な感じで遺跡が点在して
います。あまりにも静かで現代的なものが全く視野に入ってこない
ので、遺跡の神秘さが増します。

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これら全て寺院遺跡。歴代王達の側室と、その家族専用の寺院だった
そうです。

シーサッチャナライ歴史公園、まずは城壁に囲まれた部分の中央奥に
位置する「ワット・チャーン・ローム」へ。

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タイ語でチャーンは象の事。その名の通り、39頭もの半身の象が、
大きな釣り鐘型の仏塔を支えています。こちらはぜひ、寺院跡を
一周して頂きたいんですが、仏塔の手前には、ウィハーンという
礼拝堂跡を見る事が出来ます。こちらもタイの高校の歴史教科書に
よりますと、ラムカムヘン大王の碑文の中に、『仏暦1829(西暦
1286年)に仏舎利を掘り起こし、再度、シーサッチャナライの
中央にある寺院に祀り、その上に仏塔を建てた』との記述がある
事から、タイの歴史学会ではその寺院が、この「ワット・チャーン・
ローム」ではないかと推定されています。原型を留めている象は
わずか。


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建立当時は、寺院も象も漆喰を施されていたいましたので、聖なる
白い象がこの寺院を守っていたのでしょう。唯一、原型を留めて
いた象...これがぐるりと39頭もいた建立当時は、まさにスコータイ
王朝の黄金期とも言えます。

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アユタヤ遺跡の仏像は、ビルマ軍により首を落とされ、なんとも
物悲しさを感じますが、スコータイではこの時代ならではな、美しい
お顔の仏像を観ることができます。しかし、その美しさゆえに...
また、タイ芸術局の保護・管理下となる前は、長らく森の中に
埋もれていた遺跡でもあったため、盗掘も少なくなかったんだそう。
それにしても、美しい仏像です。

取材をしたのは、2月の乾季ということで、森の木々も枯葉の様な状態
でしたが、雨季の青々とした木々の中で観る遺跡は、さぞかし美しい
事でしょう。

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©タイ国政府観光庁

続いては、「ワット・チェディ・チェット・テーオ」

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7列の仏塔を持つ寺院という意味になるでしょうか...ここは先々週の
番組で、スコータイ時代の
仏塔には、様々な様式の仏塔があるという
お話をしましたが、スコータイ様式、スリランカ様式、
シュリーヴィ
ジャヤ様式など、異なる様式の仏塔が33基並んでいます。

なぜか私...この神聖な場所に入っては行けない!という感覚に。
本来なら、しっかりとカメラに納め、皆さんにご覧頂きたい
ところですが...。

遺跡中央にある仏塔が蓮の蕾を模したスコータイ様式。その下には
ナーガ(ムチリンダ)という蛇の神様によって守られながら坐禅を
組むブッダ像が、今も見事な姿で残されています。望遠最大で撮影
しましたので、画像荒くてすみません。

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瞑想中のブッダを七重
(ななえ)に巻き、ブッダの頭上、七つの
頭で傘を作り、風雨から守ったとされる姿をかたどったこの仏像、
本当に美しい仏像です。歴史公園内の森の中でも一番広い敷地を
持つ寺院跡でもありました。周囲の緑と大きな樹木が遺跡を守る
かの様に、いえ、讃えるかの様。タイの歴史学会では、この寺院が
スコータイ王家の遺骨を安置する寺院だったと推定されています。

入っては行けない!という感覚に襲われたのは、そういう事だった
のでしょうか...。

そして3ヶ所目が、シーサッチャナライ歴史公園の中でも、必ず
ご覧いただきたい遺跡の一つ。「ワット・ナーンパヤー」です。

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スリランカ様式の釣り鐘型の仏塔へと続く参道には、礼拝堂と
柱が
残されていますが、遺跡の左側、礼拝堂の壁面に残されたレリーフは、
タイ国内でも特に貴重なものだそうで、この部分にだけ風雨から
レリーフを守るために屋根が設置されています。



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この時代につる草と花のレリーフがご覧ただけるのは、ここだけ。
このモチーフは現在でも、装飾品等のモチーフとして使われて
いるんだとか。700年以上も昔のこうした美しいものを目にすると、
現代人よりも美意識が高かったのではないかと思います。

にしても...申し少し写真の腕を上げねば(泣)取材に自腹参加可能な
カメラマン募集します。(←マジです。)

シーサッチャナライ歴史公園の主要な遺跡前には、この様なQRコード
があります。

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ぜひこちらへは、データー通信可能なスマホ、もしくは
WiFiルーターご持参の上、QRコードを読み込みますと、日本語で
遺跡の詳しい説明を聞く事が出来ます。やはり遺跡は音声ガイダンス、
もしくはきちんと説明をしてくださるガイドさん同行が望ましい
ですね。今回の上記寺院ご紹介も、この音声ガイダンスで聞いた
説明をもとにさせて頂きました。

「シーサッチャナライ歴史公園」アクセスは、スコータイ市内の
市場から路線バスも運行していますが、ご宿泊ホテルで車を手配
された方が良いかもしれません。また旅行会社でもスコータイ
ツアーはございますので、最初はそういったツアーのご利用が
良いでしょう。また、お車を手配された際には、確実に待って
いてもらうよう、指示なさってください。昼間でも周辺は車の
往来が
少なく、午後3時を過ぎますと、森ですから気持ち暗くなる
のも早い気がしました。人気もなくなるので、訪れる時間帯にも
注意が必要です。

歴史公園内、主要遺跡3ヶ所に関しては、入園料一人100バーツ
(およそ320円ほど)園内トラムは20バーツとなっています。
スコータイ歴史公園そしてシーサッチャナライ歴史公園、この
2ヶ所は
セットでご覧ください。

凛とした佇まいが美しいスコータイの世界遺産、必ずやプライ
ベートで再訪したいところです。

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