2016.10.09

タイ東北部・サコンナコンの藍染

今週は、タイの伝統に触れる旅、サコンナコンの藍染を
ご紹介します。

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ぜひサコンナコンまで足を伸ばして頂きたいところですが...


今回は、サコンナコンの藍染の若き指導者 / Mannさんの、バンコクに
あるギャラリーにお邪魔しました。

場所は、チャトチャク・ウィークエンドマーケットにも程近い、
高架鉄道BTSのモーチット駅からタクシーでおよそ10分の、
「ボンマルシェ」という郊外型マーケット内。

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市場を抜けると...

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屋台フードコートに大きな池

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この池の奥にある、BON PLAZA内にギャラリーがあります。

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各店舗には、位置を示す番号がふってあります。Mannさんのギャラリー
「Mann Craft」は、C109

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熱帯の国タイでは、涼しげな青という色が尊いものとされ、北部・
東北部では昔から人々の生活に、藍染めの木綿の衣類が欠かせない
ものだったそう。暑い季節は吸水性と通気性に優れ、寒い季節は
体をしっかり温めてくれる...。また、藍には虫除け・蛇よけといった
効果もある事から、タイや日本はじめ、アジアでは主に農作業着として、
着用されてきました。

伝統的な染色技法である藍染は、古来より世界中で行われてきたもので、
「藍」という特定の植物ではなく、葉に天然色素のインディガンという
色素が含まれていたら、全てが藍染の原料となります。

タイ・サコンナコンの藍染は、「インド藍」タイ語では「クラーム」
と呼ばれるマメ科の植物から、沈殿法という製法で染められています。
クラームは、タイの地方の庭先でもよく見かける木で、雨季の初めに
植えられたクラームは、およそ100日ほどで成長し、雨季の終わりに
そのクラームを刈り取り、枝葉を束ねる「藍建て」を行い、束ねた
「クラーム」の枝葉を丸一日水に浸すと、葉が発酵し、水は緑色に。

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この緑色が抽出された水から枝や葉を取り除き、石灰を混ぜて撹拌し、
空気に触れさせると、緑色の水は美しい青に変わってゆきます。
これを一晩寝かし、上澄みと不純物を全て捨てた後に残るのが、
「泥藍」と呼ばれるもの。この「泥藍」に灰汁やお酒、果汁や他の
植物を混ぜたものの中に、糸や布を何度も何度も浸けることで、
深く美しい藍色に仕上がります。最低でも10回以上はこの染めの
工程を繰り返すんだそう。

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タイ・サコンナコンの藍染は、北海道のアイヌや日本古来の藍染とは
異なり、沖縄などで見られる方法と似ているんだとか。

Mannさんは、藍染とサコンナコンの植物を使った草木染めで、
「サコンナコンの色」を表現。

「染め上がった布がタイの強い日差しと風を受け、サコンナコンの
色が
生み出されていく様子は、いつ見ても心踊る光景です。」

そんなMannさんの言葉がとても印象的でした。

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「サコンナコン県は藍染めの産地としても有名ですが、これからの
時代、より洗練されたデザイン性・ファッション性が求められています。
日本でもそうだと思いますが、「伝統を守る」という事は、たやすい
事ではありません。時代のニーズに合わせ、後継者を育てる...ここ、
ボンマルシェの私のギャラリー「マンクラフト」は、そんな
サコン
ナコンの藍染の伝統と、"今" という時代を繋ぐアンテナショップという
役割も果たして
います。」

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タイの伝統的なパターンで織られたストールは、ほのかにレモングラス
の香りが。

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上記写真、右側のストールを購入しました。あまりに美しい その色に、
我が家ではタイで購入したチークの弓の弦の部分に掛け、タペストリー
として使用。

ここボンマルシェ内のギャラリーとサコンナコンの工房では、不定期
ではありますが、藍染のワークショップも開催されています。

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Mann CraftのFacebookページでも告知されるとの事ですので、番組でも
今後、ワークショップ開催が決定しましたら、その都度ご紹介します。

タイ各地の伝統に触れる旅...次回のタイ旅行は、サコンナコンはじめ、
タイの藍染や染色、織物の
工房を訪ねる旅などは、いかがでしょうか?

サコンナコンは、バンコクから飛行機でおよそ1時間、高速バスでおよそ
9時間。

最後にちょっとだけ、サコンナコンについてもご紹介しておきましょう。

タイは国民の95%が仏教徒という、仏教国でもありますが、サコン
ナコン始め、メコン川をはさんでラオスやベトナムに近いこの地域には、
キリスト教を信仰する人たちも多く暮らしています。

中でもサコンナコンのターレー地区は、タイ最大のカトリック信徒の町で、
記録によればそのルーツは1884年に、当時フランスに統治されていた
ベトナムからこの地へ移住してきた人たちにまで辿ることができます。
当時はフランス人司教に導かれた、100人に満たない小さな集団でしたが、
まだキリスト教に対する理解の乏しかった周辺住民との葛藤もあり、
徐々に信徒たちが集まり始め、ここターレーに碁盤の目のような区画と、
フランス風建築の町を築き上げ、安住の地として
きたところ。

今日では1万人を超える町に成長し、住民の90%以上がカトリック信者
なんだそうです。毎年クリスマスの季節になると、イエス・キリストの
降誕を象徴する星型の飾りを軒先に飾るほか、パレードも行われ盛大に
お祝いされます。熱帯の仏教国の中で、力強く守り抜かれてきた
カトリックの伝統が、サコンナコンにはあります。

タイにはまだまだガイドブックにも掲載のない、日本人の皆さんにも
知られていない歴史や文化、素晴らしい伝統があります。番組でも
そんな「まだ見ぬタイ」を、今後もご紹介していきたいと思います。



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